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部屋の片付けをしていて発見した前の携帯。すっかりボロボロになってしまったそれは充電をしてやれば、また以前のように作動した

データフォルダとメールボックスに残っているのは学生時代の記憶。テストの範囲が書かれた用紙の写真に同級生とのメールのやり取り

その中でも目を引いたのが、ご主人様とのやり取りだった

SNSから直接やり取りをするに当たり、変に緊張した文章を送った僕と優しいご主人様

僕の声が好きだったらしいご主人様からのメールと敬語を使って心から彼を慕っている自分のメールを見て、ふと寂しくなった

人間はそれに慣れてきて、それを当たり前と思った瞬間に変わってしまう生き物だから仕方ないのだけど

それでも、またお互いにあの頃みたいに純粋な気持ちでまたやり直せたらな、とないものねだりをしてしまう自分もいて。贅沢な奴だなぁと自分に呆れつつ、それでも欲してしまうのだ

もしかしたら彼がいることを心のどこかで当たり前だと思ってしまっていたのかもしれない。それで我が儘になりすぎてしまったのかもしれない。
あの頃のただ純粋に彼が好きで、心から慕って、一緒に居られるだけで嬉しくて幸せで…そんな自分はいつから消えてしまったのか

もっと構ってほしい、もっと優しくしてほしいと彼に求めてばかりで自分はそれをしてもらうに相応しいことを何かしたのか。これまでの自分の行いを振り返って反省したのか。
何も出来てなかった。何もわかってなかった。こんな僕だもの、前みたいに優しくなんて出来ないに決まってる

変わらなきゃいけませんね。「嫌われないようにしよう」じゃなくて「今よりもっと好きになってもらおう」って

昔はご主人様からしてもらうことが多かったキス。今は僕からすることが多い。だから、また向こうからキスしてもらえるような女になるの。自然に手を繋いでくれたり抱き締めてもらえるような可愛い女になるの

自慢のパートナーだと言ってもらえるように頑張らなきゃ、ね。とりあえず昔の自分と反省会して、これからの自分の設計図を書くところから始めよう

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